5月になると、花屋さんの店先がぱっと華やぐ気がします。その主役のひとつが、芍薬。わたしの住む地域では4月末ごろから顔を出しはじめて、「あ、今年も来たな」と思わずうれしくなる花です。
芍薬の見頃は5月〜6月ごろ。日本では産地が西日本から順に北海道へとリレーするように移っていそうで、この時期だけしか出回らない、約1か月半ほどの短い季節の花です。だからこそ「見かけたら買わなきゃ!」という気持ちになる。この時期は花屋さんで見かけたら、つい手に取ってしまいます。
小さな丸い蕾の状態から、みるみるうちに開いて何倍もの大きさになっていく——あの変化を追うのが、この季節の密かな楽しみです。


花言葉と誕生花
芍薬の花言葉は「恥じらい」「はにかみ」「誠実」。あふれるほどの花びらを重ねながらも、どこかふんわりと上品な佇まいが、その言葉によく合っていると思います。5月2日・18日の誕生花でもあります。
日が沈むと花を閉じ、朝になるとまた開くという習性も、なんだかおとなしやかで、花言葉のイメージそのまま。英語では「blush like a peony(ピオニーのように赤くなる)」という慣用表現があるほど、西洋でも”はにかみ”のイメージで親しまれている花です。
ちなみに英語名のピオニー(Peony)は、ギリシャ神話に登場する医神の弟子パイエオンに由来するという説があり、もともとは薬草として重宝された歴史も持っています。見た目の豪華さだけじゃない奥深さも、この花の魅力のひとつです。
そして、芍薬には独特の散り方があります。はらはらと少しずつ落ちるのではなく、ある瞬間にばさっと大量の花びらが一気に落ちる。はじめて目にした時はビックリでした!あれだけ豪華に咲いておいて、散るときは一瞬——「恥じらい」の花言葉とはちょっとギャップがあって、そこもまた面白いところですね。
芍薬の形をよく観察してみると
花びらいっぱいの華やかさが目を引く芍薬ですが、クレイフラワーとして作るなら、細部まで観察は必須。
裏側のガクはこんな感じです。 もっと開花が進むと花びらに埋もれてどうなってるか分からなくなります・・

葉っぱの形はこんな感じ。このバランスが美しい・・

花びらは、外側の大きなものから中心の細かいものまで、大きさも形もさまざまです。この複雑さがクレイフラワーとしての作りがいにもなっていて、ああでもないこうでもないと試行錯誤するうちに、すっかり時間を忘れてしまいます。花びらいっぱいの華やかさは、クリエイターにとってもっとも創作意欲の湧く花のひとつかもしれません。

クレイフラワーで作ったピオニー
クレイフラワーでも作ってみました。動画でご覧いただけます。
じっくり工程を追いたい方はこちら↓ちょっと古いけど、基本的な作り方はほぼ同じです。
ピオニーが作れるカッター・ベイナー
ピオニーのクレイカッターとベイナーも発売しています。あの複雑な花びらの形を、ひとつひとつ手作業で形成するのはなかなか根気のいる作業——ですがカッターがあれば、きれいな形が一瞬で切り抜けます。ぜひ使ってみてください↓
