
観察から生まれるリアルな再現
本物の花を手に取り、構造を観察することから始まる制作プロセス。花びらの重なり、質感、光の透け方。粘土で再現するためのすべてのヒントが、花の中に隠れています。
花を分解していく
わたしが新しい花を作るとき、よくやっているは、本物の花を一枚ずつ、丁寧に分解すること。
このプロセスはとてもワクワクする作業で、外側の大きな花びらから順番に外していくと、花全体の構造が少しずつ見えてきます。外から見ているだけではわからなかったことが、手を動かすことで初めてわかる。この分解作業、ちょっとお花が可哀想なんだけど、創作のインスピレーションに繋がるすごく好きな時間です。
花びらをひとつひとつ、写す
輪郭をなぞってフィルムに形を写したら、大きさでグループに分けていきます。同じ「花びら」でも形やカーブの入り方がずいぶん違うことに驚きます。

途中経過の写真や動画を撮りながら進めることも多く、「このカーブが大事だな」と思った瞬間とか、花びらの向きや重なりのメモとか、後から見返せる記録をたくさん残しておくようにしています。
本物の花びらから、型やカッターが生まれる

観察と記録を重ねながら、次第に「これを粘土で再現するにはどうすればいいか」というところへ思考が向いていきます。
花びらの形はカッターへ、表面の質感やカーブはモールドへ。本物の花が、そのままクレイフラワーの道具になっていくような感覚です。バラの花びらを実際に型どりして質感を写したり、トレースした形をもとにカッターを設計したり。ひとつの花を観察するだけで、いくつもの発見と、いくつもの道具が生まれてきます。
工程が積み上がって、花になる

こうして生まれた道具を使って、ようやく粘土で花びらを作っていきます。カッターで抜いて、モールドで質感をつけて、一枚ずつ形を整えて、中心から外側へと重ねていく。
それぞれの工程はとても細かくて、時間もかかります。でも、その一枚一枚が積み上がって、だんだん花の形に近づいていく瞬間がたまらなく好きです。
創作の過程で生まれた道具や制作記録、皆様と共有できれば嬉しいです。
