
独学する?フラワースクールに通う?お花屋さんで働く?お花を学びたいと思ったとき、何からやるべきか
お花や物作りを始めた頃の自分にアドバイスするならば?
と言う視点で考えてみました。
これまでの勉強歴をあらためて振り返ってみると、趣味・資格を含めて7校ほどのフラワースクール(生花、アーティフィシャルフラワー 、プリザーブドフラワー、クレイ、ブーケ専門、など)で学んでいました。
そこから派生して、カルトナージュ、テーブルコーディネートなどを学んでいたことも・・。
プリザーブドフラワーは、妊娠、出産の時期と重なって8割くらい進んだところで辞めてしまったんですが・・。
生花、クレイ、アーティフィシャル、ブーケ、カルトナージュ、テーブルなどは、簡単なものも含めて一通り資格まで取得しました。
膨大な時間とお金をかけて学びましたが、その後会員資格などの更新は全てやめてしまいましたので、現在は無資格です^^;
私の場合は、自分のペース&スタイルで自由に物作りをしたかったので、「協会」のようなスタイルが少し苦手で・・
同じ資格を取得された方でも、肩書きや実績として活用されている方もいらっしゃいますから、「資格」を活かせるかどうかというのは人それぞれですね。
色々勉強していたけれど、「これは必要なかった」、「後回しでよかったかな」、と感じることも割とあります。
時間もお金も体力も、後々活用できるスキルのために有効に使って、そうでないことには使わない!そうやって効率よく学びたいものですよね。
フラワーアレンジメントを効率よく学ぶためにまず必要なことは・・
最初に目的を決めておくこと!
テクニックを色々と学ぶ前に、理由や目的を考える。
まずはこれが肝心です。
どういったものを作りたいのか、どんな仕事をしたいのか、できるだけ具体的に考えておくことです。
私がお花に興味を持ち始めた頃は、「とにかくお花に関することならなんでも勉強したい!」と思っていました。
基本も、応用も、ウェディングも、ディスプレイや装花も、可愛いのもカッコいいのも、販売も、指導も・・とにかく何でも・・。
探せば情報もスクールも山のように出てくるので、なかなか取捨選択ができず、あちこちの教室に行ったり本を読んだり、作りたいものを手当たり次第に作ったり、流れのままに資格コースに進むような感じでした。
そうやって色々学んでいるうちにやりたいことが見えてくる、と言うこともありますが、無計画に「あれもこれも・・」とやっていくよりは、ある程度目的を絞って集中的に必要なことから身に付けていった方が効率が良かったと思います。
お花を学ぶ目的は何?
- 趣味やリフレッシュとして
- 先生になりたい
- お花屋さんやショップで働きたい、運営したい
- フラワーデザイナー・アーティストになりたい
- ブライダルや装花をやりたい などなど・・
このような目的によって、学び方も、スクール選びも変わってきます。
もともと持っている特技と組み合わせたり自分の持ち味を生かせるような、新しい分野を探すこともできますよね。
最初に自分のやりたいことを考えてみて、目的をある程度はっきりさせていく。それに合ったスクールや学び方を選んでいくのが近道です。
勉強方法や順番も、やりたいことによって、違ってきます。
先生になりたい場合
協会所属の認定講師として活動する方法もあれば、独自で個人教室を開くこともできます。
本格的にやるのなら、協会や団体を作りたい、会社化したい、社会貢献に繋げていきたい、というような道もありますね。
お花屋さんやショップ・販売したい場合
開業したいのか、雇われて働くのか、個人向けに販売するのか、企業を対象にするのか、チェーン店の傘下に入るのか、生け込みや装花、ウェディング専門、など、特定の分野でやるのか・・
取り扱う商品のイメージやデザインは?実店舗?、ネット販売?、自宅教室やアトリエスタイルで受注販売? などなど、
ひとことで「お花の仕事をする」と言っても色んな選択肢があります。
目的が分かればそのために学ぶべきこと、やるべきことが見えてきます。 今の時代、調べたり問い合わせたりすれば、だいたいのことは分かるもの。
何をやりたいか、どうなりたいか、どうしてその技術が必要なのか、その目的を考えて、それに沿って必要なことを身につけていく。
スクールや勉強法も目的をある程度決めてから選んでいく方が効率が良いですよね。
資格の必要性は?
これもどんな仕事をしたいか、によって変わります。
各スクール・協会で決められている作品やテクニックを認定校として教えたり販売したいのなら必須です。
お花の資格は、国家資格である「フラワー装飾技能士」をはじめ、様々な団体、協会、個人教室が主催する民間資格があります。
理論やデザインを網羅的に学んで年単位で勉強が必要なものから、各作品1回ずつ作れば資格取得できる比較的簡単な資格もあります。
カリキュラムの単位数もスクールによってそれぞれです。
多ければ費用も時間もかかりますし、中には必要のないものもあるかもしれません。内容が少なければ身に付くスキルも少ないでしょう。
多ければor少なければ良い、悪い、というよりも、自分に必要なことを学べるかどうかが大切です。
使用する材料や協会の規模、サポート体制などによっても費用や時間は大きく異なります。
また、スクールに限らず、お花屋さんなどの現場で働きながら技術を学ぶのも1つの方法です。
私も資格取得後しばらくお花屋さんで研修を受けたことがありますが、水揚げや販売商品の制作、イベント装花のお手伝いなど・・寒くて肉体労働で・・修行になるとはいえなかなか大変でした^^;
資格がなくてもできる、お花の仕事
そもそも、お花屋さん、お花のスクール、フラワーデザイナーなどの仕事は資格なしでも始めることができます。
雇う側や生徒さん、お客さんなど、相手側が資格を持つ人を求めるケースはあるかもしれませんが・・。
大事なのは、お客様のニーズに合ったもの、欲しい!と思ってもらえるものを作ったり提案したりできるかどうかです。
資格があっても無くても、はじめることは誰にでもできるけれど、提供する商品やサービスにニーズが無ければ仕事として成り立ちません。
独学、スクール、資格、現場で、など、方法はどんな形であっても、そういったスキルを身につけるのは必須ということ。
取得が難しいと言われる国家資格や老舗のフラワー資格については、お花の処理方法や、指定されたルール・図案などに基づいて、正確にお花をまとめたり、配置していくことを学んでいく勉強になります。
「美意識やセンスを磨く」というよりは、お花の扱い方のテクニックを網羅的に身に付ける、という感じですね。
実用的かどうか?と考えると難しいところですが、自分が作りたいデザインや形に合わせて正確にお花を組んだり配置したりできるスキルがあると再現性が上がります。
いくらセンスが良くて素敵なデザインを思いついても、お花の扱い方が分からなければイメージ通りのものが作れないということになってしまいますから・・。
ただし、試験のような厳しい基準をクリアする正確性まではいかなくても、お花の扱い方は本や独学でもある程度学ぶことはできます。
その資格の看板を生かして仕事をしたいかどうか?というのもポイントになってくるでしょう。
民間の資格やスクールは、スタイルも様々です。主催者(又はデザイナー)が考えたデザインを1回ずつ作って、卒業制作、1~2作品試験を受けて、合格後に師範認定といった形が多いです。
作品数も難易度もテイストも各スクールによって違うので、自分の作りたいスタイルや方向性に合ったものであれば、活用できるでしょう。
民間の協会やスクールは、規約などにより活動方法などが制約される場合もあります。
レッスン料が一律に決まっていたり、仕入れ先や材料が決まっていたり、自分が考えた作品やオリジナルレッスンができないこともあります。
一度資格や認定を取ると、継続的に年会費やロイヤリティーがかかり続けるというところもありますし、協会の看板を掲げて教室などを始めると、簡単には辞められません。
金額や制約に見合うだけのサポートが受けられるのであれば利用価値もありますが、悩みの種になることもあるので、習うとき(資格を取るまで)の料金やシステム・通いやすさだけでなく、資格取得後にかかる継続費用や活動上の制約、その後の繋がり方やサポート、先輩卒業生の活動内容などもしっかり見極めておくことをおすすめします。
私自身が必要だったこととそうでなかったことは・・
私の場合は、「おうち・インテリア用に飾るお花を作りたい」というのが目的でした。
コンテストに出すような大きなアレンジメントやイベント装花は「素敵だな〜」とうっとり眺めているだけで満足。自分で作りたいとか家に飾りたい、とは思わないんです^^;
作るのも置き場所も、お片付けも大変ですし・・
可愛らしいスイーツ風や日用品をデコる系にもそれほど興味がないので、これも鑑賞専門。
ブーケもいろんな型を学びましたが、ブーケやさんになりたいとは思いませんでした。 (やりたいことはひとそれぞれですからね。ブーケ作りも素敵なお仕事です) ラウンド、キャスケード、クラッチなどの人気の定番を学んでおけばあとは、ニーズに応じて応用したり、独自の花合わせやセンスを磨いたりした方が良い感じがします。
私はお家の「飾り物」としてのフラワーアレンジメントが好きで、ここにこんな風にお花を飾りたいな〜こういうアイテムがあると素敵だな〜・・など、おうちのインテリアとお花の調和を考え始めると止まらなくなります。
あまり場所を取らない比較的飾りやすいサイズ、プレゼントにできるもの、組み合わせてコーディネートができるようなスタイルのお花が、欲しかったし、作りたかったのです。
そんなわけで、現在はインテリアフラワーに特化したデザインだけを作るようになりました。
今の自分から逆算して考えてみて、必要だった勉強は?
- フラワーアレンジの基本的な技術(主要な形、挿し方やまとめかたなどのテクニック)
- 写真の撮り方
- WEB制作 (ネットショップ含む)などになります。
ここにポイントを絞って勉強していたら、予算も時間もセーブ出来て、もっと効率よく学べたのでは?と思います。
webデザインや写真はクオリティーを追求するとキリがないのですが、お花に関する情報発信ができることと、作品の雰囲気がある程度伝わるくらいできれば十分では?と思っています。
「すごく凝ったスタイリング」や「高度なシステムを使ったWEBサイト」までは、今のところ必要性を感じません。
優先度が低かったなと思うことは・・
- 生花店での研修(イベント制作、装花、水揚げなど)
- 非日常の特別なデザイン (定番以外のブーケをたくさん作る、大型の装花、コンテストに出すようなすごい作品、など。)
- 作品展の出展や実用的でない作品作り。
- お花以外のお稽古事 (リフレッシュには楽しかったけど、多くの時間をかけたり資格取ったりまでは不要だったかな?)
- 短期集中で取れる簡単な資格 (大した技術が身に付かず会費だけがかかり続けるようなもの)
- 時間とお金がかかり過ぎる資格
あくまでも、私に限ってのことなので、何が活用できるかできないかは人によって全く違います。
web系が苦手な人は外注してもいいですし、ウェディングを専門的にやりたい人やアーティストを目指す人ではまた違ってきますよね。
起業や経営、集客やマーケティングの勉強が必要な場合もあると思います。
「何でも知っている」、「何でも作れる」、に越したことはないけれど、優先順位も大事。
物作りや仕事の学びは「ここまでやったら終わり!」ということは無くて、やろうと思えばキリがありません。
勉強を続けることは大切ですが、時間にも予算にも限りがありますから、優先順位や進め方は大切です。
目的は人それぞれ、学び方も人それぞれ
こんな働き方をしたい、こんなものが作りたい・・
目的は人によって違うので、何が必要なのか、どう学んでいくかはそれぞれに異なります。
可愛いから、とりあえず資格が欲しいから、近所だから、友達だから・・と気楽に始めることも多いものですが(←私)・・
真剣に学びたいな、と思った時は、一度立ち止まって、
何の為にどんな勉強をしたいのか?
をしっかり考えてから進めていくのがおすすめです。
そうすれば、お金も時間も体力も有効に使えますから。
もちろん学んでいくうちに「やりたいことが変わる」ということもあります。
その時は軌道修正も必要です。
資格システム、勧められるがままに流されてしまわず、その都度自分の意思で選ぶ、決めていくということが大切です。
まとめ
フラワーアレンジメントを無駄なく、効率よく勉強するなら、最初に目的を明確にしておくといいよ! というお話でした。

